Interview
05-2
後編

Yさん 化バイ先生
花王株式会社
加工プロセス開発研究所
広島県出身
Yさん
化学・バイオ工学科
学科広報担当教員
宮城県出身
化バイ先生

いまの仕事につながる化学・バイオ系での学び

企業のプロセス開発で求められる力

化バイ先生

学生時代に培った「問題解決力」は、現在の仕事にどうつながっていますか?

Yさん

研究室で培った問題解決力複雑な条件の中で最適な方法を考える力として活きています。研究室で試行錯誤した経験が、今のプロセス研究でも「どこを重点的に検討すべきか」を考える力につながっています。

化バイ先生

化学・バイオ系(学科)での学びのほうはいかがでしょうか。企業ではどのように活かされていると感じますか?

Yさん

3コース一体の学びが企業でも活きる学部・大学院を通して、専攻以外の内容もある程度学ぶカリキュラムになっていたことは非常に大きかったです。たとえば化学工学でプロセスを考える際にも、化学物質の性質や反応挙動、有機・無機化学の視点が必要になる場面は多いです。専門部署と協業する際にも、そうした基礎知識があることで円滑なコミュニケーションにつながります。

やりがいと、乗り越えてきた困難

化バイ先生

現在のお仕事のやりがいを教えてください。

Yさん

担当した仕事が社会に届く喜び自分が関わった化学品がさまざまな商品に使われて、実際に商品棚に並ぶことですね。入社時に思い描いていた仕事を担当できているのは、本当にありがたいことだと思っています。

化バイ先生

一方で、困難な状況に直面した場面もあったのではないでしょうか?

Yさん

予想外のトラブルを乗り越えてありました。反応設備の試運転の際に、まったく予想外のトラブルが起きて、原因特定に非常に苦労したことがあります。その時は関係者みんなで昼夜を問わず設備につき、仮説を立てては実機(製造過程において実際に稼働させる装置や機械)で検証することを繰り返しました。

化バイ先生

どのようにその課題を乗り越えたのでしょうか?

Yさん

ラボ実験(研究室内で行えるスケールの実験)で見えていなかったパラメータはないか、実機特有の要素は何か、とにかく徹底的に洗い出しました。その結果、それまで影響が小さいと考えられていた要素が、条件次第では反応を大きく左右することがわかりました。トラブル対応ではありましたが、新しい知見につながり、安定生産にも結びついたので、とても大きな経験でした。

化バイ先生

仕事を通じて成長したと感じる点はどこですか?

Yさん

限られた時間の中で、必要最小限の検討によって品質を保証できるプロセスを設計する計画性と、限られた実験結果から本質を読み取る解析力だと思います。企業のプロセス開発は、期限の中で成果を求められることが多いので、必要な現象理解やスケールアップ因子を見極めて、最小限の実験を組み立てる力が重要だと感じています。

これからのキャリア、そして後輩へのメッセージ

化バイ先生

今後のキャリアについては、どのように考えていますか?

Yさん

これから挑戦したいことまだ明確に言い切れるわけではありませんが、今後はプロセス開発に加えて、新たな基剤の開発にも挑戦したいと思っています。化学品の上流から下流まで理解し、さまざまな価値を社会に届けられる力を身につけていきたいです。

化バイ先生

大学での学びの中で、特に役立っていることは何ですか?

Yさん

研究室で厳しく指導された、研究計画の立案、役割分担、進捗報告、今後の方針提案といった一連の進め方です。当時はちょっと大変に思う場面もありましたが、入社後にこれが非常に高度で重要なスキルだったと実感しました。数値解析でも、既存のプログラムを自分の目的に合わせて改良し、妥当性を検証する力を鍛えられたと思います。

化バイ先生

逆に、学生時代にもっとやっておけばよかったと思うことはありますか?

Yさん

学生時代にもっとやっておけばよかったこと率直に言えば、演習講義にもっと真面目に取り組めばよかったです(笑)。仕事では「あの演習でやったはずなのに式が思い出せない」と教科書を見返すことがよくあります。調べればわかる時代ですが、そのひと手間が仕事では意外と大きいので、体系的な知識として身につけておくことは大切だと感じます。

化バイ先生

化学・バイオ系の学生に求められる力は何だと思いますか?

Yさん

専門科目を選り好みしない好奇心だと思います。応用化学、生物工学、化学工学、どの分野も、実際に化学に関わる仕事をすると全部つながっていると実感します。自分も、専攻以外の授業をもっとしっかり学んでおけばよかったと少し後悔しています。

化バイ先生

企業就職を目指す学生へのアドバイスをお願いします。

Yさん

不安になったときや自信をなくしそうなときは、どんな小さなことでも「自分にできたこと」を数えてみてほしいです。良い成績が取れた、卒論が書けた、研究が進んだ、料理ができた、掃除ができた、早起きできた、そういう一つ一つの経験が、いざ挑戦するときに背中を押してくれると思います。

化バイ先生

最後に、後輩たちへのメッセージをお願いします。

Yさん

社会に出ると、自分が少しずつ「なんとかする側」になっていくのだと感じます。学生時代は誰かに支えられていた日常を、今度は自分たちが支える側になる。その中で一人でできることは限られていますが、自分の仕事がどこにつながっているのかを意識しながら、目の前のことに真摯に前向きに取り組んでいくことが大切だと思います。大きな目標も、仲間と力を合わせることで少しずつ前に進んでいけるのだと感じています。

Yさん

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