研究紹介 ナノカーボン

近年、カーボン材料において様々な研究開発が行われています。カーボン材料の一つであるグラファイトは鉛筆の芯や潤滑済、電極等として用いられており、非常に身近な材料です。基本となるハニカム平面は炭素原子間の共有結合 (σ 結合) で構成され、それがさらに π電子が共鳴することによって強められている。それ故にこの平面は非常に強固で、それに沿った方向には電気、熱が良く通る。これに対して、平面間の結合は π 電子雲同士の相互作用による van der Waals 的な結合であり非常に弱く、黒鉛はこのシートに沿って劈開します。この平面は層面が二次元ハニカム構造の単分子膜がグラフェンです。グラフェンは、非常に機械的にも電気的にも優れた特性を有しているが、シンプルな構造にも関わらず、従来の製造におけるボトムアッププロセスやトップダウンプロセスでは煩雑でカーボンナノチューブもグラフェンと同様です。

本研究開発では、固液系反応で、効果的なプロセス設計が可能な超音波やマイクロ波を用いて、ナノカーボン材料の高効率な剥離や分散による高効率合成と高機能化を目指して、開発を行っています。


環境プロセスを重視した新しいグラフェンの剥離法を提案し、報告しました。(2023.10)

  • ”Green fabrication of unoxidized graphene by combination
    of frozen dispersion and multimode microwave thermal shock”
    Yusuke Ebato, Yamato Hayashi, Hirotsugu Takizawa
    Cleaner Engineering and Technology 100681-100681 2023年10月

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  • 化学工業日報 2018年9月4日
    「電動車普及へセラ研究加速-東北大 チタン酸リチウム複合粒子効率合成-」