研究紹介 ナノ粒子

現在、多くの金属ナノ粒子の実用化研究が行われています。しかし金属ナノ粒子の実用化、大量生産には問題が存在します。大きな問題として原料における毒性物質の使用、合成における大量の毒性廃棄物の発生、ナノサイズ化のための保護分散剤の使用が挙げられます。保護分散剤の使用はナノ粒子のサイズを小さくするために必須でですが、ナノ粒子の物性を阻害するために合成後除去する必要性があります。従来の手法は原料由来の毒性廃棄物や分散保護剤の使用、洗浄処理とその廃棄物処理がナノ粒子合成における高スループット化の阻害や高コスト化の原因となっており、その解決が求められいます。

これらの金属ナノ粒子合成における問題を解決するために、毒性物質の使用・発生なく、保護分散剤を極力使用しない、洗浄処理・廃棄物処理が不要で短時間合成が可能なサステナブルな様々な金属ナノ粒子(金、銀、白金、パラジウム、銅など)合成法の開発を行っています。

白金ナノ粒子については保護分散剤を使用しないで3nmの一次粒子径を持ちながら水溶液中で高分散するナノ粒子の合成に成功しました。この白金ナノ粒子は、粒子の表面に保護分散剤が存在しないため、より白金ナノ粒子の高活性化が期待できます。原料に毒性物質を全く使用していないため、自動車や化学触媒用途だけではなく、食品や生体用途への利用等、幅広い分野への応用が期待できます。

この白金ナノ粒子は2013年春から四国計測工業(株)が製造し、関東化学(株)から販売されています。

白金ナノ粒子サンプルを試供しておりますので、ご相談ください

白金ナノ粒子以外にも各種高環境性・高スループット合成金属ナノ粒子を開発しています。

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