東北大学 東北大学 大学院工学研究科・工学部 化学・バイオ系

九葉会 九葉会 KUYOKAI

会長挨拶

令和2年
塚田 隆夫(昭和54年化工卒、藤縄研)

九葉会会員の皆様には,益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。本年4月より,猪股宏先生の後を受け,令和2~3年度九葉会会長に指名されました塚田隆夫でございます。現在,化学工学専攻プロセスシステム工学講座物質制御プロセス工学分野を担当しており,主に材料製造プロセスを対象とし,観察実験と数値シミュレーションにより,装置内の流れや伝熱といったマクロな現象に加え,ナノ・メゾスケールでの材料の構造形成等の理解を通して,材料の構造や機能を制御するためのプロセスの設計・最適化に関する教育・研究を行っております。この度,伝統ある九葉会の会長に任ぜられ,その重責に身の引き締まる思いでおりますが,会員の皆様そして幹事の皆様のお力添えをいただきまして,微力ながら九葉会の運営に尽力していく所存ですので,よろしくお願いいたします。

九葉会の会員は,令和2年4月の時点で約8,000名を数え,産官学の多方面にて活躍されています。九葉会の大きな役割は,会員,すなわち卒業生と大学との間の橋渡しにあります。毎年発行する九葉会会報を通して,化学・バイオ系の教育・研究に関る最新の情報をお届けするとともに,ホームページにより九葉会の事業や行事を会員の皆様にお知らせしております。今後も会員の皆様へのこれら情報発信手段の一層の充実に努めたいと考えます。一方,会員の皆様には,適宜開催されます先輩が後輩に語る特別講演会,毎年開講します学部3,4年次学生を対象とした集中講義をお願いしており,また3年次終了時の学生を対象とした工場見学では企業活動の紹介だけでなく企業で活躍されている卒業生と学生との交流の場を設定していただくなど,大変お世話になり,感謝しております。学生は,大学の通常講義では聞くことのできない貴重なお話や工場見学の体験を通して企業活動に対する理解を深めることができ,勉学上そして進路を考える上で大変役に立っているものと思います。

また,九葉会は,会員と大学間だけでなく,会員間をつなぐ重要な場でもあります。九葉会会報でもお知らせしておりますが,毎年東京もしくは大阪で開催される九葉会総会,あるいは各支部親睦会やクラス会,もちろん個別にも,会員同士が親睦を深め,また様々な情報交換が行われているものと思います。なお,私事ですが,十数年前,三年半ほど大阪に居りました折に,大阪で開催された総会に参加させていただきました。九葉会の先輩,後輩の方々と久しぶりに話をさせていただくことで,慣れない土地での生活に少し戸惑いがあった我が身に活力を与えられたことを覚えております。

さて,未来社会を支えるのは科学技術だけでなく“人”であることは言うまでもありません。大学の大きな役割の一つは,社会を支える人材の育成にあります。ご存知のように,化学・バイオ系は,一昨年学科創設100周年を迎えました。会員の皆様にはいろいろとご支援ご協力をいただき感謝しております。化学・バイオ系では,学科創設以来,一体教育を行ってきましたが,これは本系の教育の最大の特徴であり,現在も応用化学系,化学工学系,バイオ工学系の教育を同時に行っており,広い視野を持った人材が育つことから産業界からも大変高く評価されております。今後もこの教育体系を維持し,また本学がモットーとする研究第一主義に基づき,会員の皆様のご期待に沿えるよう,新たなる100年に向け,教育・研究活動に精進していく所存です。

最後になりましたが,この度のCOVID-19禍により,九葉会会員の皆様も多大な影響を受けているのではないかと推察いたします。このような状況の中ではありますが,九葉会会員の皆様のご健康と,益々のご繁栄を心よりお祈り申し上げます。