東北大学 東北大学 大学院工学研究科・工学部 化学・バイオ系

九葉会 九葉会 KUYOKAI

会長挨拶

平成28年
京谷隆(昭和54年修士卒、玉井研)

九葉会会員の皆様には、益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。3月末の大阪での総会で、今野先生の後を受けて会長に指名されました京谷隆でございます。現在、多元物質科学研究所の高分子・ハイブリッド材料研究センター、ハイブリッド炭素ナノ材料研究分野を担当しており、高機能炭素ナノ材料の合成とエネルギー分野への応用の研究を行っております。また、大学院応用化学専攻の協力講座として学生の教育に携わっております。伝統ある九葉会の会長に研究所所属の現役教授としては初めて任ぜられ身の引き締まる思いです。また、私自身が研究所に所属しているので、同窓会と大学院工学研究科・工学部化学・バイオ系との関係をどれだけ密接なものにできるか非常に心許ないのですが、皆様のお力をお借りして微力を尽くす覚悟でございます。

ご存じのように化学・バイオ系における学部教育の最も大きな特徴は、応用化学系・化学工学系・バイオ工学系のカリキュラムを分割することなく、一体教育を行っていることです。この効果は非常に大きいと思っております。常に化学プロセスの観点から応用化学を研究できる人材、また常に分子レベルから物事を考えることができる化学工学の研究者はアカデミックの分野だけでなく産業界からも是非とも必要な人材です。現在、多元物質科学研究所の10研究室は工学研究科応用化学専攻、化学工学専攻、バイオ工学専攻、および環境科学研究科の先端環境創成学専攻の協力講座となり、化学・バイオ系からの大学院生、4年生の教育を行っております。その際に感じるのは学生が幅広い知識とそれを受け入れる土壌をすでに持っており、東北大学の伝統である実学主義、研究第一主義、すなわち常に応用を念頭に置いた研究の現場における教育が何の支障もなく行えることです。これは素晴らしいことで、このような理想的な人材を育成し、産業界に輩出している化学・バイオ系の一員であることを誇りに思っております。

同窓会とのつながりは素晴らしい人材を産業界に常に送り出していくことがまず大事であると考えていますが、会誌「九葉会報」や会員名簿、ホームページの充実を図るとともに、各方面で活躍されている卒業生の方に集中講義や講演をして頂くことで学生との交流を深めていくことも重要です。また、研究室配属前の学生を対象とした工場見学では卒業生の皆様に大変お世話になっておりますが、これも工場見学という目的以外にも、参加学生が現場で実際に活躍されている先輩と交流できることに大きな意味があると感じております。ここでも同窓会である九葉会のネットワークが活躍しています。さて、皆様すでにお聞き及びかと思いますが、「学科創設100周年記念事業」を2017年の秋に開催予定です。学科の創設を理学部に応用化学科ができた時とすると、100年目は2017年になるそうです。この記念事業においても同窓会である九葉会の役割は大きく、九葉会との共同事業になる予定です。九葉会会員の皆様方には厚かましいお願いもするかも分かりませんが、何卒よろしくお願い申し上げます。

最後になりましたが、九葉会会員の皆様の益々のご活躍とご健康とをお祈りいたします。