研究室公開化学・バイオ系研究棟 5階 W503号室
光機能性材料の化学
応用化学コース量子物理化学分野(浅井研究室)
http://www.che.tohoku.ac.jp/~qpc/
皆さんは、光を使った技術や製品というと、どのようなものを思い浮かべますか? 代表的な製品として、各種の発光材料が挙げられます。最近の例では、青色発光ダイオードの開発競争が激しかったことが記憶に新しいかと思います。この場合には、発光色(発光の波長)を変化させることが重要な課題でありました。また、発光材料のみでなく、光を使った通信は既に実用化され、光による演算やメモリ機能の実現・高度化に向けた研究も盛んに行なわれています。これらの光技術を実現し、さらに高性能にするためには、光をあやつるための高性能な素材を開発する必要があります。
我々の研究室では、各種の発光材料はもちろんのこと、光演算を目指す材料、光学材料と「磁石」との結合を目指した材料などを作製しています。このような目的のためには、物質中の電子の状態を制御する必要があります。そのためには、さまざまな種類の元素を利用し、あるいは多様な化学結合状態を有する有機分子を用います。さらには、電子の「波」としての性質を利用し、半導体などのサイズを非常に小さくすることにより、その中の電子状態を制御します。例えば、図の写真では、同じ組成の半導体の粒子について、ナノメートルスケール(1ナノメートル=100万分の1ミリメートル)での大きさの制御により、そのサイズの変化のみで、発光色(≒発光波長)の制御が可能であることを示しています。