研究室公開総合研究棟 5階 516号室
新しい世界を拓く有機合成
応用化学コース(大井研究室)
https://www.che.tohoku.ac.jp/~aporg/
我々の生活は,医薬品,農薬,電子材料,高分子材料などのさまざまな有機化合物によって支えられています.これらの製造の根幹をなすものは有機合成化学です.有機合成化学は,より少ない工程数で,無駄な廃棄物をなるべく出さずに,環境負荷の少ない方法で,安価な原料から,欲しい物だけをどうやって作るかということを追求する学問です.当研究室では,遷移金属や典型金属を使った新しい有機合成反応の開発や機能性分子の創成に取り組んでいます.
遷移金属は,さまざまな酸化数をとることができ,また錯体を形成することで性質が変化し,多様な反応性を示します.今日では,有機合成化学において中心的な役割を果たしています.一方,典型金属は,空軌道を活かした反応性を示し,豊富に存在する資源です.古くから合成反応の触媒や試薬として利用されてきました.我々は,Pd,Rh,Ruなどの遷移金属錯体を用いる触媒的カップリング反応の開発,B,Al,Inなどの典型金属の電子的・立体的性質を巧みに利用した反応の開発,あるいは,電子材料への応用を指向した機能性分子の創成などに取り組んでいます.