新規溶媒 -超臨界流体-
新規溶媒 -超臨界流体-
当研究室では、「水」と「CO2」の超臨界流体の研究が中心ですが、これらが熱力学的に最も安定で、しかも身近に豊富に存在し、地球環境問題にも根本的に関与できる物質であると確信しているからです。これらを使った実用化技術を是非とも社会に還元していきたいと考えております。
主な研究テーマ
- 高圧基礎物性の測定と推算
-
超臨界域を含む高温高圧状態における密度や粘度などの熱力学基礎物性は、化学工学プロセスや単位操作を設計する際に必須となります。当研究室では、こういった基礎データを高温高圧流体中で実測する技術を開発するとともに、状態式やシミュレーションを用いた推算系も開発しています。
- ポリマー溶液系の平衡・輸送物性
-
ポリマーの重合条件における相平衡や拡散係数といった平衡・輸送物性は、重合反応の解析やプロセスの最適化に欠くことのできない重要な基礎データとなります。最近では、揮発性有機物の排出削減のために超臨界CO2を用いた塗装法が注目を集めておりますが、ここでもポリマー溶液の相平衡に関する情報が塗料の析出を防止するために重要です。当研究室ではこれらに関係する研究を行っています。
- 天然物の超臨界/亜臨界抽出プロセスの開発
-
医薬食品製造においては、ときに毒性の高い有機溶媒が用いられています。これに対し、二酸化炭素は毒性が低いため有機溶媒を代替する溶媒として期待されています。当研究室では,目的対象物に対して効率の高い抽出装置や、オリジナルの熱力学物性・状態式を用いた抽出条件予測モデルの開発などを行っています。
環境分子化学分野 https://www.emds.page/