松本 祐司

研究への取り組み

寺田寅彦の言葉に、「失敗をこわがる人は科学者にはなれない。科学もやはり頭の悪い命知らずの死骸の山の上に築かれた殿堂であり、血の川のほとりに咲いた 花園である。」とあります。確か、中高生の頃、現国の問題集か何かで読んだ寺田寅彦の随筆にもそのようなことが書かれていたのを記憶しています。その当 時、自分は頭が悪い方が科学者に向いている、だから、自分も科学者になれる!と都合良く解釈したのがこの道に進むきっかけでした。

あれから、20年近くたちました。今となっては、あの当時の勝手な解釈もあながち間違いではなかったのかな、と思っています。多少頭が悪くても、他人が 思い付かなかった100個のアイデアを出して、そのうち1つでも当たればもっけもの。へこたれずに何度もチャレンジする気合いが大切。松本研は出来て間も ない若い研究室ですが、今まさにこのことを実践する毎日です。

科学研究の本当の面白さは、思いがけない結果に出会ったとき。思いがけない結果とは、既存の知識の組み合わせだけでは簡単に予想できない結果を言いま す。その思いがけない結果に気付くかどうかは、科学者の心がけ。予想どおりにならなかった実験を失敗した、という学生がよくいます。実験が自然との対話の 唯一の手段であるならば、そこには何かしらの自然からのメッセージがあるはずです。そうした1つ1つのメッセージの積み重ねが、研究の面白さにつながって 行くと信じています。

よく研究テーマについて、なぜこの研究をするのか?どのような結果が予想されるのか?などと聞かれることがあります。私は、自分の悪い頭で結果を予想するよりは、自然からのメッセージに耳を傾けることに心がけています。

松本研では、へたな知識を身につけるよりも、何か分からないけど、わくわくする気持ちで研究に取り組めるチャレンジ精神と考えなしでぶち当たった問題を火事場のバカ力で解決できる能力を養いたい向上心のある方を歓迎します。

研究歴

平成4年10月〜
平成5年3月
東京大学理学部化学科 卒業研究「分子線エピタキシー法による有機薄膜の作製とそのLEED観察」
固体化学講座小間篤教授のもとで、有機分子薄膜のファンデルワールスエピタキシーに関する研究に従事。
平成5年4月〜
平成10年3月
東京大学物性研究所修士/博士研究
「STMを用いた原子レベルで見るAg(110)面上の(-Cu-O-)一次元化合物の生成と配列、およびその反応性」(修士論文)
「Atomic-scale Understanding of Adsorption and Reaction on Metal surfaces」(博士論文)
物性研究所極限物性表面部門田中虔一教授のもとで、金属単結晶表面における化学反応と表面ナノ構造の自己組織化現象についてSTMなどの表面科学手法を用いた研究に従事。原著論文18報
平成10年4月〜
平成15年9月
東京工業大学 応用セラミックス研究所 助手 鯉沼秀臣教授のもとで、無機材料のコンビナトリアル薄膜技術の開発と応用に関する研究に従事。原著論文29報
・ Co添加二酸化チタン透明磁石の発見(Science)
・ 単結晶薄膜のためのフラックスエピタキシー法の開発(APL)
平成15年10月〜
平成17年3月
東京工業大学フロンティア創造共同研究センター 講師
無機材料のコンビナトリアル薄膜技術の開発と応用に関する研究を継続、および酸化物薄膜の表面化学と光触媒に関する研究に着手。
原著論文50報、特許30件以上
・ 二酸化チタン薄膜表面のin situ STM観察(Langmuir)
・ 酸化物薄膜表面・界面のナノ構造制御と光反応特性に関する研究(Thin Solid films, Appl. Surf. Sci.)
平成17年4月〜
平成18年10月
同応用セラミックス研究所 講師
平成18年11月〜
平成19年3月
同 助教授
平成19年4月〜平成25年3月 同 准教授
平成25年4月〜 東北大学大学院 工学研究科 教授 現在に至る

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