アルツハイマー病(認知症)の予防・治療トップ > 研究内容
アルツハイマー病脳においては、いくつかの重要な神経病理変化が観察されますが、その代表的な特徴の一つである老人斑は、分子量4 kDa程度のアミロイドβ蛋白(Aβ蛋白)が線維化し細胞外に沈着したものです。老人斑に加えて、タウ蛋白リン酸化による神経原繊維変化や広範で高度な神経細胞脱落も認められます。これらの神経病理所見を説明するものとして、「アミロイド仮説」は多くのアルツハイマー病研究者の支持を得てきました。アミロイド仮説とは、Aβ蛋白→タウ蛋白→神経細胞脱落→認知症状として、Aβ蛋白を根本的発症原因に最も近いものとする考え方です。このアミロイド仮説によれば、1)Aβ蛋白はタウ蛋白リン酸化などのすべての事象を引き起こす;2)Aβ蛋白の沈着が阻止できれば、神経原繊維変化や神経細胞脱落は起こらず、アルツハイマー病の発症を阻止できると考えられます。また、アルツハイマー病は認知機能低下などの症状が現れるおよそ20年も前から脳内にAβ蛋白が徐々に蓄積して進行していく病気であります。そのため、Aβ蛋白を制御する有効な機能性食品の開発は、より簡便で安全なアルツハイマー病予防法として重要な役割を果たせると期待されております。