アルツハイマー病(認知症)の予防・治療トップ > 認知症とは
日本は本格的な高齢社会に突入しており、全国の認知症高齢者の数は2005年の205万人から2095年には2.2倍の約445万人になると推計されています。(厚労省研究班より)
認知症とは、単なる物忘れではありません。正常であった脳の知的な働きが後天的な病気によって継続的に低下した状態になる「病気」です。
主に、脳や体の疾患を原因として記憶・判断力などの障害が起こり、普通の社会生活がおくれなくなった状態で、初期症状では「物忘れ」が最も多く、「意欲・自発性の低下」」や「うつ状態」「言語障害」「注意力低下」などが起こるといわれております。
患者は一人で日常生活を送れない場合もあり、家族やまわりの人の温かい介護が必要となってきます。
健忘・記憶障害 | 同じことを言ったり聞いたりする。しまい忘れや置き忘れが目立つ。直前のことも忘れる。 |
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見当識障害 | 今がいつか、どこなのか分からなくなる状態。 |
思考障害 | 考える力、理解する力が低下。計算が出来なくなる。 |
認知障害 | 物事を見分け判断する力が低下。人違いなど。 |
妄想 | 「物盗られ妄想」や「被害妄想」等、家族が対象になることが多い。 |
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幻覚 | 認知症では、幻視が多い。 |
不安 | 不安や焦燥感の症状が出現。防衛反応として妄想。 |
依存 | 不安や焦燥感のため、依存的な傾向が強まる。 |
徘徊 | 熟知している場所でも迷ったり、無目的な徘徊が多くなる。 アルツハイマー型認知症に多く、脳血管性認知症では少ない。 |
攻撃的行動 | 介助時に不満が起き、攻撃的行動を行う。また幻覚等からも生じる。 |
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睡眠障害 | 不眠、うたた寝が増加。 |
介護への抵抗 | 入浴を嫌がる。不安感、水への潜在的恐怖感などから生じる。 |
過食・異食 | 過食、食べられないものを口にする等がみられる。 |
うつ状態 | うつ状態意欲の低下や思考の障害、うつ病と似た症状がみられる |
老化による物忘れ | せん妄 | うつ病 | 薬物による症状 |
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薬の飲み過ぎ、間違って飲み合わせた場合等、 |
1.老年性認知症の原因
認知症は、脳が病的に障害されて起こり、原因は頭蓋内の病気や身体の病気などさまざまな要因で起こります。中でも「アルツハイマー病」「レビー小体病」「脳血管障害」が要因による認知症は、8割以上を占めています。
2.若年性認知症の原因
発症原因は通常の認知症と同じで、18~64歳で発症する認知症を総称して「若年性認知症」と呼ばれており、推計では、27,000~35,000人といわれ、現実にはその3倍以上ともいわれています。老人性認知症と同じく、さまざまな病気と関連があると考えられています。
3.認知症原因となるその他の疾患
パーキンソン病 | 動作緩慢、手足のしびれ、筋肉萎縮など。 後期に認知症症状が出現することあり。 |
正常圧水頭症 | 髄液圧は正常だが、髄液の吸収障害のため、脳室が拡大し認知症症状が現れることがある。 |
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びまん性レビー小体病 | 幻視や転びやすい。パーキンソン病同様、歩行障害や認知症を伴う。 | 甲状腺機能 低下症 |
甲状腺ホルモンが低下し、認知症症状が現れることがある。 |
ピック病 | ピック病特有な人格変化、反社会的行動、反道徳的行動を主症状とし、それに認知症が加わる。 | ビタミン欠乏症 | ビタミンB1、B12、葉酸などのビタミン欠乏によるもの。 |
慢性硬膜下 血腫 |
頭部打撲後、しばらくしてから脳内で出血した血の塊が脳を圧迫するもの。 | 低酸素血症 | 心不全や呼吸不全、重度の貧血で血液中の酸素濃度が低下し、認知症症状が現れることがある。 |
頭蓋内新生物 | 髄膜や脳の腫瘍によって、認知症症状が出ることがある。 | 電解質異常 | 血液中の電解質(ミネラル)のバランスが崩れて、認知症症状が現れることがある。 |