1.ラマン分光法を用いたCO2溶解挙動のin-situ評価
地球温暖化の原因となりうる二酸化炭素(CO2)の世界平均濃度は、2015年に400 ppmを超えたとされています。パリ協定に基づく温室効果ガスの排出削減目標を達成するためには、単に排出量を抑制するだけでは達成不可能であり、既に大気中に排出されているCO2を分離・回収する技術が必要となります。
本研究室では、他大学・企業と連携し、この大気中のCO2を利用する技術開発を目指しています。特に私たちは、イオン液体などを含むゲルからなる液膜を用いてCO2を分離し、直接化成品へと変換するプロセスを検討しています。そこで現在、溶液中にCO2が溶解する挙動を分光学的手法であるラマン分光により解析し、プロセスに最適な溶媒種の選定を行っています。