研究内容

超高圧合成法による新材料創製

大容量超高圧発生装置であるベルト型装置を用い、高温高圧環境下(~8 GPa, ~2000℃)での無機材料の合成を行っています。

高圧下では原子間距離の縮小や構成原子の圧縮率の違いに伴う原子配列の変化(相転移)が起こり、常圧下では生成しない高密度相が生成します。 様々な元素の組み合わせを考え、導電性材料や磁性材料、イオン伝導体、ワイドギャップ半導体の新物質を次々と生み出しています。

  • 新規マンガン金属間化合物の高圧合成
  • フィルドスクッテルダイトの高圧合成と熱電特性
  • 新規共有結合性化合物の合成と構造解析および物性評価
  • マクロテトラヘドラル化合物の高圧合成

マイクロ波照射による機能材料の創製

周波数28 GHzおよび2.45 GHzのマイクロ波を用いた機能セラミックス合成を行っています。

マイクロ波をセラミックスに照射すると、マイクロ波の交番電磁界と物体の直接的な相互作用により物質が加熱され、急速に焼結が進行します。 この時、熱的に非平衡と、また電磁界による影響により、様々な現象が確認されています。

これまでに、アモルファス酸化物磁性体や金属窒化物の合成、格子欠陥の導入による新たな物性発現等を見いだしており、 新材料合成への展開を目指して、エネルギー変換材料、磁性材料、ナノ・メゾ構造体、固体構造化学等に関する研究を行っています。

  • 大気下における金属粒子の窒化反応
  • 層状化合物の板状粒子作製
  • スピノーダル分解の促進

超音波による低コスト・低環境負荷ファブリケーションの構築

超音波によって発生するキャビテーション(泡)は、局所的に高温・高圧のホットスポットを形成し、 化学的・物理的現象において非線形的・カオス的な作用を示します。この現象・作用を利用し、低コストと低環境負荷を同時に 実現する新規ナノ材料やそのプロセス開発を中心に研究を展開しています。

  • 金属ナノ粒子の作製とそのモルフォロジー制御
  • 環境のジレンマを克服するセラミックス/金属ナノコンポジットの作製
  • 多機能調和型有機/無機ナノコンポジットの開発
  • 新しい反応場の創製

低原子価遷移金属酸化物の合成

高原子価の遷移金属イオンを含む複酸化物に比べ、低原子価の遷移金属イオンを含む複酸化物に関する報告は非常に少ないというのが現状です。これは酸化物セラミックスの合成が主に大気中で行われていることが原因の一端となっています。

そこで低原子価遷移金属酸化物における新規化合物の探索及びその物性に関する研究を行っています。