青木研究室へようこそ!

はじめに

当研究室は2011年4月に発足した研究室で、化学工学第1講座をご担当された大谷茂盛先生、三浦隆利先生の研究内容を継続・発展しつつ、新規なテーマに取り組みながら現在に至っております。

第1講座と呼ばれた時代から、化学工学の単位操作のうち、「流動」と「伝熱」を講義科目として主に担当しており、現在の工業社会において各種反応装置の安全性、高効率化、省エネルギー、低コスト化など、実装置の設計・運転上重要となる現象を、実験および数値解析により解明し、工業社会に貢献しております。また、これらの研究を実施した学生・大学院生(DC, MC)は、化学分野にとどまらず、エネルギー、鉄鋼、プラントエンジニアリング、自動車、重工業分野など、幅広い企業に就職し、第一線で活躍しております。

青木研における主な研究テーマ

1. 高炉レースウェイ内の微粉炭燃焼現象の解明
製鉄用高炉の下部より微粉炭を吹き込み、製鉄時の低コスト・低CO2排出量を実現できるか。
2. 劣質炭配合時のコークス強度劣化機構の解明
製鉄用高炉において使用されるコークスの劣質炭の使用量を増加させることで低コストを実現し、コークス強度を向上させることで製鉄時の低CO2排出量も実現できるか。
3. 自動車塗装用ベルカップ噴霧塗装機による微粒化・塗着現象の解明
噴霧器を適切にハンドリングすることで、最適な塗着効率を実現し、自動車製造コストの削減や効率を向上させるか。
4. パルス噴霧燃焼時の低NOx化機構の解明
中小型噴霧燃焼器におけるNOx排出量をどこまで低減できるか。
5. カーボンブラック製造過程における凝集体形状の予測
環境・運動性能に優れる自動車用タイヤを製造するための材料開発をいかに加速させるか。
6. ナフサクラッカー反応管内の熱分解反応機構の解明
反応管のファウリング(汚損)を防止し、経済性に優れたプラントを実現できるか。

一見すると、非常に幅広い工業分野にかかわる研究であり、講義で学ぶ知識の範囲を超えることがたくさんあります。しかし、いずれの研究テーマも、化学・バイオ工学科の講義で学んだ基礎的な知識をさらに研究室で学習することで、学生自身が展開・発展できるものとなっています。

研究への取り組み

各テーマとも、大学院生と学部学生でチームを組んで取り組みます。4年生時には世界の研究状況を的確に把握するための文献調査や実験を主に担当します。現象を観察することで、現象を直感で理解する能力を実験で養います。また、実験を通して実験装置の設計、技術部での製作交渉、各種薬品の安全な使用法、実験廃液の処理法などを習得します。

博士前期(修士)課程では、文献調査を継続しつつ、現象を的確に再現しうる数値解析法の基礎から応用まで学習します。チームでの研究を的確に把握し、先輩の研究を早期に理解し、さらに研究を高度化するための方法論を習得します。得られた成果を国内・国際学会で発表したり、英文誌に投稿したりすることで、研究分野内での自分の立ち位置を理解し、どのように研究を遂行すべきか、自ら考える力を養います。

博士後期(博士)課程では、研究チームの年長者として修士での研究をさらに飛躍的に発展させ、後輩の指導にあたりながら、さらに研究の高度化を進めていきます。実験や数値解析の技術を自分のものとし、応用展開できるだけの総合力を自ら開拓します。

就職について

自ら現象を深く掘り下げ、理解し、文献調査などを進め、スタッフ・先輩・後輩とのコミュニケーションを行いながら研究を遂行する日々を過ごすことにより、自然にグループの一員として研究を行うことができるようになります。研究計画の立案、研究の実施にあたっての作業の分担、実施内容の報告や今後の研究方針の提案など、実社会で必要となる実力が身につきます。博士後期課程での就職では、博士前期課程での就職と比較すると、企業担当者との面談により業務のマッチングを図る分、面談の回数は多めとなりますが、これは企業が本人の能力を高く評価していて、有能な人材の適切な配置を心がけるためです。本講座の博士後期課程修了生は多くおりますが、皆さん、様々な分野に就職し、第一線で活躍しております。修学のための費用はかさみますが、多くの大学院生がリーディング院生(MC-DC期間)として奨励金、日本学術振興会特別研究員(DC期間)として給与をもらいながら研究に専念しております。

さいごに

研究室では一年中イベントを行っています。幹事さんはもちまわりで担当してもらっています。これも能力発現のための貴重な経験となります。イベントを企画することは、その多くの能力が研究を実行していくことと関連するためです。

日本は少子化が進行していますが、これにより今後は有能な人材がよりいっそう求められることでしょう。人生を実りあるものとするためには、知識とそれを展開する知恵により、提案型の人材となることが重要です。提案したことについて責任をもち、実行する能力があること、周囲の人々を巻き込んで、協力しあって研究や開発を進めることができる「リーダー」が必要なのです。

成長したい、意欲ある学生の来研を期待します。当研究室でぜひ一緒に学びましょう。研究に身分の上下はなく、あるのは真実への探究心です。正しいと思うことには誇りをもって議論を重ね、よりよい研究の成果を挙げていく、その過程を通して皆さんが成長するのを心待ちにしております。





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