物質の性質から“材料の機能”へ
私たちは、様々な“材料”に囲まれながら生活しています。この“材料”という言葉はどのような意味を持つのでしょうか?
森の木々は安らぎを与えてくれる自然の恵みですが、家を造る際には“木材”という材料になります。地表のやわらかな土は、形をととのえて窯で焼くと陶磁器になります。“材料”である土が、造形・焼成という“加工”によって陶磁器というセラミックス製品となるのです。つまり、ある物質の性質に着目して、それを積極的に利用しようとするとき、“ 物質”は“材料”になり、“性質”は“機能”となるのです。
ここで、特別に有用な性質をもつ材料を“機能性材料”と呼んで区別します。この“機能性材料”は、低い温度で電気抵抗がゼロになる“超伝導材料”や、紫外線を照射すると可視光線を放出する“蛍光材料” など、私たちの生活をより豊かにしてくれる材料です。
見てみよう!
機能性材料には非常に多くの種類があり、当研究室でのテーマも様々です。今回は、その中から機能性“セラミックス”に注目して、
・電子材料(コンピューターには欠かせません)
・蛍光材料(暗闇で紫外線を照射すると光る!)
反応プロセス工学
安価な原料を付加価値の高い製品に変換するための化学プロセスや生物プロセスを創りだす学問です。何を原料として、どのような方法で、何をつくるかは自由ですが、費用や環境に与える負荷をできる限り小さくすることが使命です。また、そのプロセスが社会で実際に使われるためには、経済性を高めることも重要です。そのために、変換のメカニズムを解き明かし、最小限のエネルギーで最大限の効率を達成する方法を考え出す研究を行っています。
現在の研究テーマ
持続的な循環型社会の実現を目指し、現状では廃棄物となっている未利用(廃棄物)資源を、価値の高い医薬品や食品、化学品に効率的に変換する技術(反応プロセス)を開発しています。例えば、稲わら等から医薬品を、廃食用油から界面活性剤や燃料を創りだします。開発した技術は、国内や海外の企業と連携して実用化を進めています。
●再生可能資源からの機能性化学品の製造技術
●未利用資源からの機能性食品の製造技術の開発と用途開拓
●新規反応場と速度論解析を駆使した反応制御