反応プロセス工学分野 / 東北大学大学院工学研究科化学工学専攻

研究内容

ビタミンE類の高効率回収技術の開発

 トコトリエノールやトコフェロールなどのビタミンE類は、生活習慣病を予防する高い抗酸化活性をもつため健康機能物質として注目されています。しかし、これらはパームヤシや米ぬかなどごく一部の植物から搾油された油に低濃度でしか含有されていません。現在は、これらの油から100~250℃の多段階の分子蒸留とクロマト分離を用いてビタミンE類を分離回収する手法が試みられています。しかし、ビタミンE類は熱安定性が低く熱変性しやすいため、上記の方法では回収率が低いことが問題となっています。

 本研究では、分子蒸留操作を行わない新規な回収法として、イオン交換樹脂を用いた吸着・脱離法を提案しています。この技術では、大気圧下、常温という温和な条件でビタミンE類を選択的に回収した後、脱離液を供給することで高濃度で濃縮回収できます。回収率は、既に80%以上と従来法の2倍以上を達成しています。現在、油糧バイオマスを原料としたバイオディーゼル燃料とビタミンE類の同時製造プロセスの構築に取り組んでいます。

   
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