基礎物化 中クイズ     ID(       )Name(       )   2002.719

                    (回答は丁寧に。途中経過を省略しないこと、裏も使用可)

1)次の反応に関する標準反応エントロピー(298K)、標準反応エンタルピー、標準反応Gibbsエネルギーを求めよ。また、この反応を100℃で行った場合には、はいくらになるか?ただし、は想定温度範囲で一定とみなせるものとし、必要なデータは下表値を用いること。   

2)25℃、1atmでの純水、純エタノールのモル体積は、それぞれ18[cm3/mol], 58[cm3/mol]である。25wtモル%の水溶液の密度が0.92[g/cm3]、その時の水の部分モル体積が17.4[cm3/mol] のときのエタノールの部分モル体積を計算し、その値と純成分の値とを比較して差の要因について考察せよ。

    

 

3)理想溶液とはどのような溶液をさすのか、説明せよ。
  理想溶液の場合の混合
Gibbsエネルギーはどうなるか?2成分系を例として表記せよ。
  また、その理由を現象論的に説明せよ。

理想溶液とは、混合により 完全に相互溶解し、その際の体積変化もなく、温度変化もない。
    (Δ
G<, ΔV=0 ΔH=0) あるいはラウール則の全組成範囲での成立

生成された溶液の組成をx、1−xとすると

溶解という現象が自発的に発生するため、ΔS≧0、ここで混合により、無秩序性が増加するのは明白であり、その結果エントロピーは増加するが、その寄与がxlnx+(1-x)ln(1-x)ということになる。

 

 

4)水の融解熱、蒸発熱が、それぞれ6kJ/mol, 40.6kJ/molとするとき、以下の設問に答えよ。
@通常凝固点の両側での化学ポテンシャルの温度に関する勾配を求めよ。
A通常沸点の両側での化学ポテンシャルの温度に関する勾配を求めよ。
B水を−5℃まで過冷却させたときの化学ポテンシャルは、同温での氷の値とどれだけ差があるか?
 また、その結果から自発的な現象について考察せよ。

 

@:

A:

B:

  過冷却での化学ポテンシャル勾配が大きい。すなわち、何かの影響ですぐ凍る

 

5)ある気体を可逆的に断熱膨張(等エントロピー膨張)させたときの体積―圧力を予測したい。すなわち、を求めたい。しかし、等エントロピー下でのp−V関係を測定するのは困難であり、測定できる物理量は、pVTと比熱(熱容量)であるとする。
熱力学関係式を駆使して、を測定容易な量で算出するための関係式を導出しなさい。