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高温融体材料の熱物性計測


超高温熱物性計測システム概略図

半導体デバイスの基板材料であるSi単結晶の製造やジェットエンジンのタービンブレードに利用されるNi基超耐熱合金の精密鋳造など,材料の製造において高温融体が関わるプロセスは世の中に数多くあります。このような製造プロセスを最適化するに当たり,製造装置内で起きている現象を正確に把握することが求められ,有効な手段として数値シミュレーションがあります。本研究では,正確な数値シミュレーションを行うために必要不可欠となる高精度な熱物性値を実験的に計測しています。

当研究室では,超高温熱物性計測システム※を利用し,溶融状態の半導体や金属の放射率,熱容量,熱伝導率などの測定を行っています。本技術は電磁浮遊技術に静磁場印加技術を組み合わせた世界唯一の手法であり,過冷却域を含む広範な温度範囲における高精度な熱物性測定を可能とします。

過冷却凝固による相分離構造



CuCo合金の相分離構造
(上図) 0T印加,(下図) 3T印加

過冷却域に準安定な二液相分離域を有する合金融体を過冷却状態から凝固すると,相分離により一方の相が他方に分散した凝固組織構造を誘起することができ,その構造に由来した新奇な電気的,磁気的,力学的特性をもつ材料の創成が期待できます。このような相分離構造は試料内対流の影響を強く受けることから,その構造制御には試料内対流と相分離構造の相関を明らかにすることが重要です。

そこで当研究室では,相分離(凝固組織)構造に及ぼす試料内対流の影響を検討しています。上記の熱物性測定で利用している超高温熱物性計測システムは,100 K以上の大過冷却状態を実現できるほか,試料に印加する静磁場強度を変更することで浮遊試料内の対流の制御が可能となります。この超高温熱物性計測システムを利用することで,各静磁場強度における相分離構造の変化の観察や過冷却中の合金融体の表面流速の測定を行っています。さらに,実験に加えて試料内対流の構造変化に関する数値シミュレーションを行うことで、合金融体の相分離構造変化と試料内対流の定量的評価に取り組んでいます。


*) 超高温熱物性計測システム(PROSPECT)


【共同研究先】
・東北大学 多元物質科学研究所

研究テーマ

材料の製造プロセス

  1. 半導体,酸化物バルク単結晶
  2. 高分子薄膜
  3. 微粒子
  4. 重質油

対象材料に関る新しい測定法や観察法の開発

  1. 高温融体材料の熱物性計測および過冷却凝固時による相分離構造
  2. 高温高圧反応器内の流動・拡散場の可視化