以上のように，冨重氏は，これまで比較的研究例の少なかったバイオマスのガス化を対象として 触媒およびその特性を研究し顕著な業績をあげた．よって，同氏の業績は触媒学会奨励賞に値するものと認めた．
冨重圭一
「バイオマスの高効率ガス化用触媒の開発」
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| 冨重氏は，再生可能資源であるバイオマスのガス化反応に活性な触媒の開発を目的に研究し，
セルロースをモデル化合物として，CeO2担持Rh触媒が特異的に高い低温活性を持つことを見出した．
また，使用中にCeO2担体のシンタリングのため顕著に活性劣化することを明らかにし，
高表面積担体との組み合わせを検討した結果，CeO2-SiO2担持触媒が安定かつ高活性を示すことを見出した．
さらに，流動層反応器で木質系バイオマスの反応を検討し，部分酸化，水蒸気改質，熱分解ガス化，
いずれの反応に対しても極めて高い性能を有することを示した．
これは，本触媒が高いガス化活性と同時に高い燃焼活性を有していることと関連し，流動層反応器内の酸化的雰囲気と
還元的雰囲気の中を触媒が循環流動することにより達成されると結論している． 以上のように，冨重氏は，これまで比較的研究例の少なかったバイオマスのガス化を対象として 触媒およびその特性を研究し顕著な業績をあげた．よって，同氏の業績は触媒学会奨励賞に値するものと認めた． |
| 触媒, 46(2), (Ⅳ)より抜粋 |
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