東北大学 東北大学 大学院工学研究科・工学部 化学・バイオ系

九葉会 九葉会 KUYOKAI

会長挨拶

平成18年6月
奥脇 昭嗣

3月末、東京での総会で、斉藤先生の後を受けて会長に指名されました。会のこれまでを振り返ると歴史に裏打ちされた伝統ある同窓会であり、大役というのが率直な気持ちです。活動の活性化は長年にわたる大きな課題ですが、前会長のご尽力により、新しい支部もでき、その芽も出始めております。先ごろは九州支部総会に招かれ、30名ほどの会員との交流を楽しませていただきました。
さて、九葉会はいくつかの環境条件の変化によって組織や運営について変革の時を迎えているように思われます。

組織

会員数の増加に伴う規模の増大:会員数(名誉:192名、旧制化工時代(T9-S29):269名、新制応化時代(S28-S39):591名、応化・化工時代(S40-H2):2484名、分化・生化時代(H3-H15):1739名)。これはH15年発行の名簿からざっと数えたもので、その後120名程度でH16,17の新入会員を加えると5500名を超える。
会員の帰属意識の低下:原因はいくつも挙げられようが、入会時にはきちんと会費を納めたのに、卒業後、住所変更を届けないため、最近では相当数の会報等が学科に戻ってくるのが現状。
これらは、会の活動に質的変化をもたらすのではないか。

運営

  • 本部・支部幹事:これだけの規模になっても現役が全てを運営。教員の教育研究の負担が増している現状では専任の世話役が必要ではないだろうか?
  • 会長のあり方:現役の若い学生・院生にも顔の見える人材難
  • 専用空間:本部は未だに幹事長教授の持ち回り:専用の部屋が必要で、それは会員来校時の落ち着き先としても利用する。
  • 財政基盤:新入会員の入会金が主体で、当てにできる寄付は少ない。本部幹事の工夫と努力で現状は繰越金をほぼ一定に保っている。

どれをとっても簡単に解決できるわけではないが、できるところから改善し、少しでも九葉会活性化の方向に進めたいものです。その点では、名簿の発行ができない現状は困りものですが、これはほどなく克服できると思います。
これらの問題を乗り越えて活性化を計るためには、九葉会と会員との接点を整理・見直して、そこを利活用し、あるいは情報化時代にふさわしい新しい接点を充実させて、現状の会と会員、クラス会会員との間だけでなく世代を超えたつながりを密にすることを当面の目標として掲げたい。
ところで、九葉会と会員との接点にはどんなものがあるだろうか?

九葉会と会員との接点

未来会員である学生・院生との接点:

  • 入学時・進学時のガイダンス
  • 4年進学時の工場見学
  • 卒業時の新入会員歓迎会

会員との接点:

  • ホームページ
  • 会報(学科情報(人事、研究室、研究課題、クラス会、支部報告)、総会案内、住所変更通知):会と会員をつなぐ目下最大のメディア
  • 名簿:19年度発行予定
  • リクルート訪問、技術相談、その他の相談、会員の特別講演
  • 本部・支部総会・懇親会

各接点の全体像がきっちり描き出せたかどうか。これらを眺めて、きめ細かに検討して、活性化に積極的に生かしていくのが良策と信ずる。
ほとんどが伝統的なものに見えるが、コンピュータなくしては名簿の管理・発行など現員では不可能であり、作業の中身は質的に変化している。

またネットの普及により、九葉会の動向に関心のある会員は九葉会ホームページからそこその情報が得られる。また、情報化時代にふさわしく、新しい活動としてホームページを持つクラスが増えている。

先の九州支部総会・懇親会の様子が、写真入りでリアルタイムに九葉会のホームページに乗れば楽しいし、嬉しいですね。会員からのタイムリーな様々な寄稿も増えて、活性化に貢献するように思えます。

九葉会と会員の接点は、骨格に例えれば関節で、円滑にその機能を発揮させるには軟骨と潤滑剤がいつも必要である。大きく成長した九葉会は、骨も潤滑剤にも衰えが見えてきたとするとそれらの働きを助ける仕掛けとホルモン剤が必要ではなかろうか?専用の空間、教官・会員の仕事を補佐する人材、それらを支える何がしかのお金などは、多くの会員にきめ細かいサービスを提供でき、ホームページの運用の仕方によってはこれまでは難しかった個人会員が直接活動に参加することもでき、九葉会の活動をもう少し活性化できるのではないだろうか。

環境・資源に課題はあるものの、幸いこの数年の製造業の好況は化学関連産業にも良い影響をもたらし、多くの会員はその恩恵に浴しており、また、卒業生の就職には選択の機会が増えている。このような機会に、それぞれが九葉会会員であることを再認識し、さまざま接点を通して九葉会の活動に参加いただき、その活性化にご協力いただければ幸いです。

最後になりましたが、会員の皆様のますますのご発展とご健康を祈念致しております。