東北大学 東北大学 大学院工学研究科・工学部 化学・バイオ系

九葉会 九葉会 KUYOKAI

会長挨拶

平成22年6月
宮本 明(昭和45年卒、荻野研)

九葉会会員の皆様には益々ご健勝でご活躍のことと拝察いたします。このたび九葉会会長に就任したしました宮本 明でございます。現在、未来科学技術共同 研究センター長を勤めながら、工学研究科化学工学専攻プロセスシステム工学講座で学生の教育、研究を応用化学専攻コンビナトリアル計算化学寄附講座でソフ トウエア開発を進めています。

1 先輩の夢を現役学生、教員に伝える

2年前に山田宗慶前会長が現役教授としては初めて会長に就任されましたが、私は現役教授2番目の会長となります。現役では最年長になったとはいえ、多 くの優れた先輩の方々、会員の皆様に比べますと未熟者ですが、3月末の大阪での総会でご指名を受けましたので、次の2年間、少しでもご貢献できますよう微 力を尽くす覚悟でございます。特に、6000名にも達する多くの先輩の方々の夢を現役の学生、大学院生さらには教員の方々にお伝えし、連帯が高まるよう尽 力したいと思います。会員の皆様、また各支部役員の皆様のご指導ご鞭撻をお願い申し上げます。

2 名古屋、京都で知った同窓会の有難さ

現役教授といいましても、私の場合、多くの卒業生の方々と同様に、長い間、仙台から離れ、また教授として東北大学に戻って参りました。昭和50年3月、博士課程を修了後、名古屋大学で10年間助手を務め、その後、平成4年までの7年間は京都大学で助教授としてお世話になりました。現在の大学では、教員の交流も進み、化学バイオ系でも出身大学、キャリア、最近では国籍も異なる多くの先生方が協力して教育、研究に当たることが当たり前になってきていますが、当時は、必ずしも交流が盛んではありませんでした。特に、当時の京都大学には、東北大学出身の教員は極めて少ない状況でした。勿論、その中では、京都大学の多くの先生方、卒業生の方々、学生の皆さんに親しくして頂き、自分でも進んで交流を求めるようにしましたが、毎年、九葉会関西支部の集いにお誘い頂いた時は、共通の話題に話しも弾み、大きな励みとなりました。関西の多くの企業、研究所で活躍していらっしゃる会員の方々のお話を伺ったことは、大学内の交流とはまた異なった同窓会の有難さを感じました。九葉会関西支部の方々を通して、青葉工業会の集まりにもしばしばお誘い頂き、楽しい交流の場をもつことが出来ました。

3 東北大だからこそ大切な同窓会の絆

大きな雇用の場のない東北では、卒業後には、仙台を離れて、関東、中京、関西などに勤務地を求める状況は私が卒業した頃と大きくは変わりません。地元の経済界の方々も交えた集まりでは、何とか大学の活力をもとに地元に貢献し、卒業生の方々が地元でも働く場所を見付けられるように出来ないかと語られてはいますが、まだまだ大きな改善がなされていないのが現状です。学生諸君も親元を離れていくことが殆どとなっています。東北大学に勤めていますとそのことは当たり前のようになってしまっていますが、名古屋大学、京都大学に勤めていた時は、卒業生の多くが地元企業に就職していたのとは大きな違いとなっています。その意味で、東北大学では、同窓会の絆が他の大学に比べて、もっと重要になっていると考えています。卒業生と現役学生、卒業生同士がもっと互い絆を強めて、助け合うことが求められます。

4 学生歌は最高の触媒役

九葉会や東北大学の集まり学生歌を唄うたびに、我が学生歌は多くの人々の絆を深める最高の触媒ではないかと思うようになりました。「青葉もゆるこのみちのく・・・我らこそ我らこそ国のいしずえ・・・・理想ある生命は常に美わし・・・」と肩を組んで大きな声で唄ううちに、いつしか互いの気持ちが伝わるようになるからです。数年前に、化学バイオ系3年生を引率して恒例の工場見学に中京・名古屋・四日市地区の企業を回ったことがありました。夕方には、先輩を交えての交流会を持ちましたが、その際にも必ず唄うようにいたしました。懇親の場に集まって下さった企業の方には、他大学のご出身の方もいらっしゃったのですが、構わずに肩を組んで東北大学学生歌を唄いました。学生、OBはもとより、他大学ご出身者の方にも、とてもよかったと喜んで頂きました。その後の風呂の中でも一緒に歌い続けたことが思い出になっています。

現在は、未来科学技術共同研究センター(NICHe)のセンター長を務めさせて頂いています。NICHeは、東北大学の産学連携の中心組織として、工学系だけではなく、医学部、農学部、通信研究所からのプロジェクトリーダー、経産省、文科省からの副センター長を擁し、国、県、市、産業界などとの交流も盛んです。異質な組織の運営では、心の交流、団結が重要となりますが、その中でも学生かが触媒役を果たしてくれています。東北大学在籍者だけでなく、経産省、文科省、県、市、産業界の方々が皆、肩を組んで学生歌を唄うようになってきています。その中で、もっと大きな成果を東北大学から発信できるようにした いと期待しています。

5 九葉会で経験する新しい絆

大きな役割が期待される九葉会ではありますが、現状は、本部でもしっかりとした事務組織があるわけでなく、教員のボランティアに頼っています。研究教育の第一線で活躍している准教授、助教の教員の方々が研究、教育の合間に会報、名簿の整理、更新などを進めてくれています。その中で、ミスを犯してしまいました。名簿に関することですが、九葉会の先輩には大変不快な思いを抱かせる結果になってしまいました。先輩の会長にもご尽力頂いて、お取次ぎ頂き、何とかお詫びの気持ちを伝えることが出来ましたが、申し訳なく思っています。ただ、私は、その先輩のお名前を自分の学生時代にご講義をされた教授の先生から、大変立派なお仕事をされた方として教わったことを覚えていました。お詫びの気持ちが伝わると、先輩はとても優しく接して頂き、来春の東京での総会にも参加頂き、ご研究のことについても教えて頂けることになりました。多分これも年代こそ大きく異なりますが、九葉会の絆が与えて下さった温情と改めて感謝の気持ちを強めました。

会長にご指名頂いた春の大阪での総会では、卒業して2,3年の女子OGも参加して下さいました。化学バイオ系では女子学生の数も増え、とても頑張っています。その若いOGの人は、学生時代からとても活発にされていましたが、企業でも先輩とともに生き生きと働いている様子を伝えて頂き、とても充実した気持ちとなりました。若い世代の参加は、大先輩の方々に新しい九葉会の勢い、発展を伝え、また若い世代は、私達の先輩の方々の素晴らしいご経験から多くのものを学ぶことになります。九葉会の発展を通して、もっともっと交流を深めたいと期待しています。

6 本部幹事の抱負

奥脇前々会長、そして山田前会長が推進されて参りました通り、今後も会員との接点を増やすために各種サービスならびにイベント開催などの実施を協議し、できるところから始めて参りたいと思います。

具体的には、まずWeb、会報、および名簿の充実です。Webについては、既存の会員情報の更新サービスに加え、総会案内・出席者連絡や名簿購入などの幅広いサービスが提供できないか協議しているところです。会員各位からの要望も充分考慮しながら引き続き話し合って参ります。会報については、これまで通り皆様に学科の現状を伝えるとともに、会員各位からの情報発信の媒体として活用いただけるよう、作成・配布して参ります。ご要望や発信したい情報などあれば、是非幹事までお寄せ下さい。また、クラス会など開催された折には、会員各位の近況などを知る良い機会ですので、是非ご一報いただければと存じます。さらに、九葉会からの情報提供サービスとして、Webおよび会報に加えて名簿作成・販売事業がございます。昨今の個人情報管理の問題から名簿作成が困難になっております。九葉会では細心の注意を払って個人情報を管理し、なるべく多くの会員の情報を掲載することで、会員各位の交流促進のきっかけとして名簿を活用いただきたく考えておりますので、会員各位にはご理解賜りますよう何卒よろしくお願いいたします。

またイベント開催について、卒業後いろいろな方面で頑張っておられる同窓生の皆様より、学生ならびに教員に対して様々なご経験やお知恵をお伝えいただけるような場を設けることができないか、現役教授の方々や支部幹事の方々とも話し合っていきながら、協議して参りたいと考えます。例えば、九葉会主催で後輩に語る講演会や総会にあわせたイベントなどができないか、と考えております。

九葉会は年代や立場、あるいは異なる環境にある多くの方々が、同窓生ということで集い合える場であります。情報化社会がさらに進んで、様々な情報が時間や国を超えて行き来するようになっておりますが、最終的には人と人との交流なくして豊かで生き甲斐のある社会は作れません。そうした人と人とが出会える場として九葉会が利活用できるようにしてまいりたいと考えます。

更なる交流促進のためにも、各種サービスならびにイベントの充実が欠かせません。こうした考えのもとに、幹事一同とも情報発信ならびに交流の場について協議を進めておりますので、会員の皆様からも是非お知恵をお寄せいただき、より充実した九葉会にしていきたいと存じます。

7 ご指導、ご支援よろしくお願いいたします

末筆ながら九葉会会員の皆様の益々のご活躍とご健康とをお祈りいたします。