H18年度 創造工学研修

溶液内化学反応のデザインによる結晶の形状・サイズ制御への挑戦

Experience the wonder of microworld of crystal formation by precipitation reaction

壹岐伸彦 助教授, 高橋 透 助手

Tel. 795-7222

アナウンス事項,結果はこちら履修生専用).

 ものが水に溶ける・溶けないということは日常的によく出会う現象である.溶液中の物質の濃度がある値 − 溶解度を超えると沈殿を生じる.これを利用して溶液から結晶状の機能性材料を作り出すことができる.本テーマでは,配位子と金属イオンとを溶液中で反応させ,水に溶けにくい錯体を結晶として取り出す.さてこの時,配位子と金属イオンとを単純に混ぜるだけで質のよい結晶が生成するか.否,往々にして微細な粉体となる.反応のさせ方次第 −例えば均一溶液中での配位子の発生,pHの変化− で結晶形状・大きさを自在に制御することができる.履修者にはこの反応のデザインを実際に行ってもらう.ものが溶ける・溶けないということ,これは化学の最も基本的かつ最先端のテーマである.

図 反応のさせ方で異なるNi(II)-ジメチルグリオキシム錯体結晶(顕微鏡写真,倍率1500倍).